👘1_3着物での立ち居振る舞い、マナー

— 美しさは、所作の中に —

着物を着ると、自然と背筋が伸び、所作まで変わるもの。
けれど、「どう動けばいいの？」「座る時はどうするの？」と迷う方も多いですよね。
実は、着物の所作やマナーは「動きを小さく・静かに・丁寧に」が基本。
難しい決まりごとではなく、ひとつひとつの動きに“思いやり”がこもっているのです。

着物姿の美しさは、立ち姿から。
肩の力を抜き、背筋をすっと伸ばして立ちましょう。
足は軽く揃え、体の中心を意識すると、帯の位置が安定して見えます。

ポイント：

ほんの少し意識するだけで、凛とした美しさが漂います。

洋服のように大股で歩くと、裾が乱れやすくなります。
着物のときは、足を半歩ずつ前へ滑らせるように歩くのがコツ。
足音を立てず、静かに進む姿はとても上品に見えます。

コツ：

音も含めた「静けさの美」が、和の所作の魅力です。

椅子に座るときは、裾を軽く整えてから腰を下ろします。
裾をひっぱるのではなく、両手で少し浮かせて“ふわり”と座るイメージです。

立ち上がるときも、同様に裾を軽く押さえながらゆっくり。
焦らず一つ一つの動きを丁寧に行うことで、着物のシルエットを保ち、美しい印象が残ります。

和室でのポイント：

着物姿では、手元の動きがとても目立ちます。
急な動きや大きなジェスチャーは控え、やわらかく、流れるように。

おすすめの意識ポイント：

たとえ簡単な動作でも、丁寧に扱うことで着物姿が一段と引き立ちます。

外出先やお食事のときに、気をつけたいポイントもいくつかあります。

マナーというより、「美しく着物を守るための知恵」として取り入れてみてください。

着物の立ち居振る舞いに決まりごとはありません。
大切なのは、**「まとう人も、まわりの人も心地よく」**という思いです。
静かな動きの中に、自分らしい優しさがにじむ——
そんな所作こそが、着物の美しさを引き立ててくれます。